オーストラリアがBSEやスクレイピーと無縁であるということは、貿易相手国からも認知されています。2004年8月欧州食品安全機関(EFSA)は、オーストラリアの現在の「地理的牛海面状脳症リスク(GBR)」をレベル1と認定しています。これは畜牛が(臨床段階・前臨床段階を含め)BSEの病原体に犯されている可能性が極めて低いということを意味します。
このような現状を維持するため、数々の措置が取られてきました。以下がその経緯であり、オーストラリアの疾病予防に対するコミットメントを表しています。
| 1952 | 輸入羊からのスクレイピー発生を沈静化 |
| 1966 | ニュージーランド以外の国からの動物由来の飼料(肉骨粉を含む)の輸入を禁止 |
| 1988 | 英国からの生体輸入の禁止
一度でもBSEが発生したことのある国からの畜牛の輸入を禁止、この禁止前に既に輸入されていた家畜は生涯隔離する方針をとる |
| 1990 | オーストラリアの畜牛を対象とした定期的BSEサーベイランスおよび検査を開始 |
| 1996 | 従前の検疫措置の包括的見直し
WHOの勧告に従い、反芻動物組織由来の飼料を反芻動物に与えることを自粛 |
| 1997 | 全州において上記を法制化 |
| 1998 | BSEおよびスクレイピーの監視に関するOIE(国際獣疫事務局)ガイドラインを採用 |
| 1999 | 禁止内容を拡大し、特定の哺乳動物由来の飼料を反芻動物に与えることも禁止 |
| 2001/02 | 禁止内容が更に拡大され、すべての脊椎動物由来の組織(乳、獣脂、ゼラチンを除く)を反芻動物に与えることを禁止 |
| 2003 | 反芻動物への給餌が禁止されている飼料に対する第5回全国監査を実施 |
| 2004 | TSE伝達性海綿状脳症プログラムを開始 |
更に、以下のようなTSEリスク低減活動が活発に行われています。
- 脊椎動物組織由来の飼料を反芻動物に与えることの禁止は、厳格に監視され、違反防止のため高額の罰金も設けられている。
- TSEモニタリングおよび監視活動の全国コーディネーターを任命。コーディネーターの役割には、オーストラリアの生産者、畜産団体、獣医師がTSEに関する十分な知識を持つよう促進することが含まれる。
- 全てのTSE関連活動を全国的にまとめた「TSE伝達性海綿状脳症防疫プログラム」を開始
- 1998年に発足した監視およびモニタリングプログラム
は、その知見を定期的に報告。結果は公表され、主な貿易相手国にも送られる。
- オーストラリア国内の主な輸出向け食肉加工場に常駐するオーストラリア検疫検査局(AQIS)の獣医官は、BSEやスクレイピーの兆候を検知するための訓練を受けている。疑わしい症状がある場合には、獣医官が随時サンプルを専門試験所に送る。