オーストラリアの肥育場に適用される品質保証制度は「全国肥育場認定制度(NFAS)」と呼ばれます。輸出向け食肉規定に規定された当プログラムは、輸出向けのグレインフェッド(穀物肥育)牛を生産するオーストラリアの肥育場への導入が義務付けられています。肥育は食肉製品の品質や市場へのアクセスに影響を与える工程であり、同制度は、この工程を担当する肥育場のための品質システムを構築し、肥育場の責任のある業務の拠り所となることを目的としています。
NFASは、豪州ロットフィーダー協会(ALFA)が開発した業界の自主的品質保証制度で、業界が任命した委員会である肥育場認定委員会(FLIAC)によって管理されています。
この認定を受けるためには、肥育場は以下に適合しなければなりません。
- 業界基準を満たす肥育場独自の手順を開発し文書化する。
- 肥育場で飼育される全肉牛に対し、これらの手順が遵守されていることを示す記録をとる。
- これらの手順、記録、肥育場の施設に対し、第三者の監査を受ける。
NFASには以下の要素が含まれています。
- 動物福祉
肉牛飼育責任者の管理可能な範囲において、肉牛の健康と福祉がいかなる理由によっても侵されることがないよう手順を導入する。これらの手順には、必要に応じてとるべき速やかな改善措置を含む。
認定を受けた肥育場には、「動物福祉の模範業務規準―肉牛」の条件に準じた「全国肉牛肥育場ガイドライン」の実施が課される。定期的な検査の実施と緊急時対応計画の策定が求められる。緊急時対応を含むバイオセキュリティ管理の手順を文書化し、異常な罹病率および死亡率がみられた場合には報告する。
- 環境管理
全国肉牛肥育場環境業務規準を満たす環境管理手順を開発、実施する。
同手順は、明確で達成可能な環境上の目標や業績指標、業務慣行、監視プログラムを文書化したものである。肥育場の経営者は環境関連法規の要件を理解し、遵守しなければならない。従業員は適切な訓練を受け、環境管理上の責任を理解し遂行する。
環境管理の状態は、毎年または当局の要請に応じた頻度で検証される。「環境規準」の目的を達成するために、常に業界の慣行に対する理解を維持する。
- 家畜密度
肥育場は、例外が認められた場合を除いて、家畜密度を標準重量の肉牛(去勢牛600Kg)一頭あたり9~25m2に維持しなければならない。
- 牧草・作物・穀物
牧草を家畜に食べさせたり、飼料用の作物・穀物を収穫または販売もしくはエンドユーザーに対して出荷する前に、そのような牧草や作物・穀物の休薬期間が過ぎているか、許可された農薬のみが使用されているかを確認する。
- スタッフの訓練
従業員が課された業務を十分に遂行できるよう適切な訓練を施す。
- 内部監査および改善措置
「NFAS認定規則および規格」が常に遵守されていることを確認するために、定期的に内部監査を実施する。不適合や不具合が即時に是正できない場合には、改善措置および再発予防措置をとる。
- 品質に係る記録
「NFAS認定規則および規格」への適合を証明する記録をとっていなければならない。このような記録は、当制度の持つ外部監査機構の一助ともなる。
- 文書管理
文書の目録を維持し、文書が更新された際の手順を策定する。
NFAS認定肥育場は、毎年オーストラリア食肉畜産統一基準局
の監査を受け、その適合が確認される。